26年目
昨年のカゴ作りを振り返って。
大きかったのは、下写真、縦が約70cmの「いなりぐち」です。 収穫した穀物を袋に入れるのに使いたいとのことで作りました。 裏には、4本の補強竹をはめ込んでいます。
下は、直径が約75cmの大ザル。 野菜やもち米、色々なものを入れるのに使われるそうです。 私の感覚では、丸ザルは直径2尺(60p)を越えると、骨ヒゴを押さえる手が届かなくなり、編むときの大変さが一段上に変わる気がします。
逆に小さかったのは、下写真、直径9cmほどの味噌漉しです。 鍋の中で、味噌を溶かすのに使われます。 柄ごと一緒に縁巻きをして、竹釘で留めてあります。
下写真は、直径15cmの円筒形のカゴ。 遠方に暮らされている知り合いの女性の方からの注文で、お菓子入れ用にと作りました。 帽子のような、上からかぶせる式のフタをつけています。
彼女のパートナーは、かつて竹細工をされていて、私が廣島さんに出逢うきっかけを作って下さいました。 彼女自身は盲ろうの方で、音や光の無い世界に生きておられます。 彼女がカゴを判断するのは、目と耳以外、主に指先で触った感覚です。 とにかく手に引っかかることの無いように留意して、また継ぎ目を少なくするため、胴体は2本一組で一気に編み上げました。
はじめて挑戦した作り方もありました。 下は、高さ30cmの「腰てご」。 蜜柑の花の収穫用にと頼まれました。 水俣式と違って、紐を通すところ、縁巻きの下部分に、計3か所の穴を開けています。 廣島さんのカゴを参考に作りました。
下写真は、買い物カゴ。 左が水俣式で、まっすぐ上に立ち上がった形です。 知り合いの方の紹介で、三つ作りました。 一方、右写真は、上を絞って卵型に編む形。 天草の買い物カゴを参考に、はじめて作ってみました。
下は、3年前に地元の方に編んだ「かれてご」。 切れた紐を取替えて、すり減ってきた底面の足竹を新しくはめ直しました。 彼はこれを背負って、単車で水俣市内を走ってくださいます。 特別に胴体のヒゴを磨いて作ったので、全体的に良い飴色になっていました。
昨年を振り返ると、今までで一番地元の注文が少ない年だったかもしれません。 ここでの暮らしが、一年一年変わっていることを痛感します。 今年はどんな年になるか分かりませんが、自分なりの竹細工ができたらと願います。